■ 失敗しない壁紙・クロスのリフォーム会社選び

 

インテリアコーディネーターが在籍するリフォーム会社に

リフォームの場合は、壁の下地によって壁紙の素材にも向き・不向きが出てきます。場合によっては、

下地の処理が必要なこともあります。リフォーム会社は、壁紙の素材の特性を熟知し、施主のライフス

タイルに、その素材が合っているかを的確にアドバイスしてくれるところがいいでしょう。一番気軽に

依頼できるのは地元の内装業者ですが、インテリアを重視するなら、インテリアプランナーやコーディネーター
が在籍し、適切にアドバイスをしてくれるリフォーム会社や工務店などがおすすめです。

 

リフォーム会社との最初の打合せでは、必ず事例を見せてもらい、その会社のテイストを確認して

おきましょう。

 

大きめのサンプルをリフォームする部屋に張ってチェック

壁紙のデザインは、お部屋のインテリアを決定づける重要な要素です。さまざまな壁紙の中から、お好みや

インテリア全体の雰囲気を考えて慎重に選びたいものです。リフォームの際は、カタログを見るだけでなく、

大きめのサンプルを実際に見ることができる内装材のショールームに行きましょう。

 

ショールームでは、まずブックサンプルや展示品の中から気に入ったものを数点ピックアップし、大きい

実物サンプルを出してもらいます。「尺角」という1平方メートル程度のサンプルがあればベストです。

大きいサンプルなら、出来上がりに近いイメージをつかむことができます。

 

念のため、サンプルを家に持ち帰り、リフォームする部屋の壁に張って色の見え方をチェックします。

昼と夜、晴れた日と雨の日では見え方が違う場合もあるので数日間、壁に張ってチェックしてください。

 

ただし、実際に大きな壁に張ったときにはサンプルより明るく見える場合があります。

濃い色は少し薄く感じ、淡い色はほとんど白色に見えることもあるようです。また、蛍光灯の下では

青みがかり、床の色や扉、家具が濃い色の場合は白さが強調されることもあります。

サンプルでは、「少し濃い、派手だ」と思っても、張ってみるとちょうどよいこともあるので、選ぶ時には

考慮しておいてください。

 

このように壁紙選びは、何日もかけてじっくり選びたいものです。嫌な顔をせず、納得いくまでつきあって

くれるリフォーム会社が良いでしょう。

 

■ 壁紙・クロスの種類

壁紙とは、石膏ボードなどの下地の上から貼る装飾用のシートのことで、クロスともいいます。

主な素材には、紙、織物(布)、ビニルなどがあります。

 

塗り壁などに比べ、比較的簡単、短期間・低コストでリフォームできます。

また、デザインのバリエーションが豊富で、最近では汚れ防止や防カビなどの機能が付加されている

壁紙もあります。

 

欧米ではインテリアを一新するため、壁紙の張り替えが日常的に行われており、日本でも気軽に

リフォームされるようになってきました。

 

この項では、壁紙・クロスの種類と主な特徴をご紹介します。

 

■紙壁紙 洋紙タイプと、和紙タイプがあります。洋紙タイプは、洋紙を原紙として張り合わせ、その上に

エンボス加工やプリント加工を施したものです。また、和紙を用いたもののも人気を集めています。

 

■ビニル壁紙 壁紙の中で最も普及しており、色・柄・価格も豊富に揃っています。

主原料のポリ塩化ビニルに可塑材などを混ぜ、シート状にしたものに紙を裏打ちしてエンボスやプリントを

施しています。

 

■布(織物)壁紙 レーヨンを原料にしたものが一般的ですが、合成繊維や綿・麻などを原料にしている

ものもあります。布の織り方によって平織壁紙、朱子織、不織布、植毛壁紙などがあります。

 

■木質系壁紙 天然木やコルクを薄くスライスして、アルミ・紙と貼り合わせたクロスです。

カントリー調の部屋にぴったりで、温かみのある雰囲気を演出できます。

 

■無機質壁紙 石や土、金属やガラス繊維などを主素材としてつくられているもので、調湿性や通気性に

優れ、防火性能が高いことが特徴です。

 

■珪藻土壁紙 紙と珪藻土を混ぜた自然素材のクロスです。調湿性にも優れ、石膏ボードと

組み合わせると結露防止効果を発揮します。

 

■オレフィン壁紙 食品包装材紙などに使用される、オレフィン樹脂を素材としたクロスです。

安全性が高く、燃焼しても有毒ガスをほとんど発生しません

 

■壁紙・クロスの種類(1)紙壁紙

欧米からの輸入品が多い“純壁紙”

“純壁紙”と呼ばれる紙壁紙は、欧米でよく用いられています。パルプを原料に製造した洋紙に、

プリント加工やエンボス加工を施したもので、その多くはヨーロッパやアメリカからの輸入品です。

多くは防汚性、調湿性があり、水拭きが可能です。ホームセンターなどでロール巻きにして販売している

ものを見かけますが、日本ではあまり普及していません。

 

吸湿効果や保温効果がある和紙壁紙

一方、日本の伝統を生かす壁紙として「こうぞ」「みつまた」などを原料とした和紙壁紙もあります。

和紙壁紙は独特の風合いがあり、湿度の高い時は湿気を吸収し、乾燥した時には湿気を放出するため、

夏も冬も快適な室内を保つことができます。また、表面の繊維質が光を乱反射するため、太陽の光や

照明の灯りが柔らかく感じます。光と同様、音も分散・乱反射するので、耳障りが柔らかくなり、部屋から

洩れる音もある程度軽減できます。

 

和紙は水に弱くて破れやすいというイメージがありますが、和紙壁紙の表面は樹脂加工されているものが多
く、水をはじき、汚れにくく、なかには水拭き可能な製品もあります。また保温効果もあります。

 
ビニル壁紙は貼った直後が一番美しく、時間が経つほどに黄ばみなどが目立ってきますが、和紙は黄ばんで
も、それが却って独特の風合いに変わることもあります。また、そのまま重ね貼りができるのでリフォーム時
の工程が大幅に短縮できます。

 

環境にやさしい特殊紙壁紙

最近では、環境にやさしい“特殊紙壁紙”に人気が集まっています。その代表的な壁紙のひとつが、天然

資源である一年草のケナフを用いた“特殊紙壁紙”です。ケナフは一年草で成長が早く、毎年伐採する

ことができるため、資源が枯渇することがありません。また、地球温暖化の原因となる炭酸ガスや、

水質汚染の原因となるチッ素などを吸収するので、環境保全に役立つ素材だと言われています。

 

その他の特殊紙壁紙としては、主原料がコットンの壁紙や、天然シルクの壁紙などがあります。

コットンの壁紙は、二酸化炭素を吸収し酵素を作るともいわれています。特にオーガニックコットンを用いた

商品は、収穫や加工時に農薬や漂白剤を用いいない、人にやさしい壁紙として人気が高まっています。

一方、天然シルクを使用した壁紙は、静電気が起こりにくく調湿機能、通気性に優れています。

 

■壁紙・クロスの種類(2)織物壁紙(布クロス)

高級感を演出する織物壁紙(布クロス)

織物壁紙(布クロス)とは、織物、編物、不織布、フェルトなどを紙で裏打ちした壁紙のことです。

 

最も一般的なものはレーヨンを使った壁紙ですが、麻や綿の素材感を生かしたもの、絹織物のような

高級感のあるものなど、バリエーションは豊富にあります。

 

織物壁紙の主な種類

●平織壁紙

平織りとは、縦糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に交差させる、最も一般的な織物の方法です。

この壁紙には、さらし木綿、ブロード、羽二重などがあります。

 

●綾織壁紙

縦糸・緯糸3本以上で構成する織物の方法です。平織りに比べると摩擦に弱い面もありますが、柔らかく

伸縮性に優れ、シワがよりにくい特徴があります。サージ、へリンボンなどがあります。

 

●朱子織壁紙

縦糸、緯糸のどちらかが浮いている織りかたです。サテンが代表的です。



●不織布壁紙

細かい繊維を絡み合わせた布を用いたものです。紙と同じ木材のパルプから作られたレーヨン不織布を

素材に使用しています。

 

●植毛壁紙

ベースの紙に静電気で短繊維を植毛し、繊維の長さを調節しながらカットしたものです。

 

リフォームは、熟練職人のいる業者へ

織物壁紙は独特のボリューム感と、あたたかな風合い、ソフトな感触が魅力で、ホテルのロビーや

結婚式場、オフィスの応接間などによく使われています。住まいのなかでは、リビングやベッドルームなど

の壁材に適しているでしょう。

 

特徴としては、調湿性・通気性があり、結露が発生しにくいという長所があります。

反面、水分を染みこみやすく、ホツレやすく、汚れが落ちにくい、価格が高いなどの短所があります。

そのような点から、これまでは敬遠されがちでしたが、最近では汚れ防止や撥水加工を施した商品もあり、

人気が高まっているようです。

 

織物壁紙は、普通に張ると継目が目立ちやすいという特徴があります。

キレイに張るには、熟練した職人による施工が必要です。リフォームを依頼する時は、織物壁紙の工事に

慣れた会社に頼みましょう。

 

■壁紙・クロスの種類(3)ビニル壁紙

最も普及している壁紙

ビニル壁紙は壁紙全体の90%を占める、最も普及している壁紙です。主原料のポリ塩化ビニルに、

発泡剤、着色剤などを混ぜ、フィルム状やペースト状にして、紙や布に張ったり塗ったりしたものをいいます。
種類は、織物調、塗り壁調、立体感を出したものなど、バリエーションが豊富。

また、比較的安く施工でき、水やほこりも簡単に拭き取れます。ビニル壁紙は、特殊な機能を

付加しやすく、最近では防カビ機能や汚れ防止機能、耐水機能といった、高い機能もつ製品も登場して

います。

 

主なビニル壁紙の種類

 

●エンボス無地系壁紙

凹凸のあるエンボス加工を施し、石目調、織物調などを表現したものです。

 

●プリント・エンボス壁紙

エンボス加工と同時にプリントを施したものです。織物調から花柄などの柄物まで、多種多様に揃って

います。

 

●シルクスクリーン壁紙

大きな柄模様を、シルクスクリーンを用いて印刷したものです。

 

●発泡壁紙

ビニル層に発泡剤を混ぜ、加熱処理してスポンジのように膨らませ、その上にプリントやエンボスを

加えたもので、立体感があります。

 

●ワイピング壁紙

エンボス加工したベースの凹部に印刷インキを入れ、凸部を拭き取って色付けした壁紙です。

柄部分の陰影で立体感を出しています。

 

●バレープリント壁紙

別名「谷染め印刷」ともいいます。型押しと同時に凹部に色付けする印刷で、凹凸がシャープに見えます。

 

●反射柄壁紙

金糸、銀糸や絹調の繊細なタッチのものや、金属光沢をもった壁紙などがあり、個性的な壁紙です。

 

■壁紙・クロスの種類(4)オレフィン壁紙・珪藻土壁紙 他

環境にやさしいオレフィン壁紙

オレフィンとは、ポリエチレン・ポリプロピレンなどの合成樹脂を主原料とした紙のことです。

最近は塩化ビニルに替わって食品包装フィルムやデスクマットなどにも使われています。

 

このオレフィン紙のうち、壁紙に適した素材を主原料に作られたものがオレフィン壁紙です。

一番の特徴は、焼却時に煙の発生が少なく、塩化水素などの有毒ガスがほとんど発生しない点です。

 

また、ビニル壁紙のように汚れに強く、水拭きが可能です。さらには表面強度が高く、キズがつきにくい

のが特徴です。しかし、比較的薄く、張ったときに下地の凸凹が出やすいので、下地材処理が必要になる

ことがあります。

 

天然木の風合いが伝わる木質系壁紙

木質系壁紙は、木材を薄くスライスしたものに紙を裏打ちした壁紙です。天然木のもつあたたかみや

高級感を感じるので、落ち着いたインテリアにしたい部屋には良いでしょう。ただし、比較的高価なので、

全面ではなく壁の一部にアクセントとして使うと経済的です。

 

木質系は主に、「銘木シート壁紙」「コルクシート壁紙」の2種類があります。

銘木シート壁紙は天然木を薄くスライスして、紙と張り合わせた壁紙です。コルクシート壁紙は、コルクを

薄くスライスして、紙と張り合わせた壁紙です。コルクならではのソフトな感触が楽しめます。

 

自然素材を使った無機質壁紙

無機質壁紙は、石や土、金属やガラス繊維、セラミック、リサイクル素材などを主原料にした壁紙です。

調湿性や通気性に優れ、高い防火性能があります。

 

中でも漆喰壁紙は、古くから神社仏閣や酒蔵、お城に用いられた漆喰の良さを生かした壁紙です。

優れた調湿性や防カビ性と、高い防火性能、耐久性を兼ね備えています。

 

また、珪藻土(けいそうど)壁紙は、紙に珪藻土をコーティング加工した壁紙です。珪藻土は、太古の

植物プランクトンが堆積(たいせき)して土になったもので、珪酸(ガラス質)を主成分としています。

壁紙の表面には無数の小さな穴があり、湿度の変化に応じて湿度をコントロールする調湿機能があります。

ビニル壁紙に比べて薄いので、下地の凹凸が出やすく、工事の際には下地処理が必要になる場合があります。
 






 
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